「帰ります」



報告もして、程々に飲めて満足した私は帰り支度をする。
お金を払って店を出る。




「さっちゃん」



階段を下りてビルを出たところで呼び止められる。
振り返ると春さん。



「春さん?」

「待って、送るから」

「え?いいですよ。一人で帰れます」

「いいから」




春さんは私の言葉も聞かずに私の腕を引いて歩き出した。




「時々、来てるのよ。あいつ」

「え?」

「さっちゃんの元上司」

「え・・・」