優しさに、いつだって救われて。 温もりに、いつだって甘えてしまう。 いつしか、手放せなくなってしまいそうで。 怖い。 それからどれほどの時間が経っただろう。 ソファから動くこともできず。 ただただ時が経つのを待った。 玄関で鍵をカチャカチャと鳴らす音が聞こえる。 それを遠くに感じながら息をしているのかも、瞬きをしているのかもわからない感覚でぼんやりとしていた。 「春さん!」 覚醒したのは、そんな声を聞いた瞬間。