「それに、今、お世話になってる人がいて。その人のところに住まわせてもらってるの」
「お世話にって、あんた無職でしょう?人ひとり養うっていうのはとても大変な事よ。負担になってるんじゃないの?」
お母さんの意見はごもっとも。
春さんには、いろいろと負担してもらってることも多い。
出来るだけ私も食費とか必要経費を貯金から払おうとしてるけど、断られることも多いし。
春さんに甘えてしまっていることは確かだ。
「それは、ちゃんと就職が決まったら纏めて返すつもり」
「どんな人なの?もうあんたは成人してる立派な大人だから、あまりとやかく言うつもりはないけど。友達?」
「友・・・。そう、友だち。とってもいい人なの。優しくて、綺麗で」
「なんだ、女なのか。俺はてっきり彼氏のところなのかと」
「え、沙紀ちゃん、彼氏いたの?」
「いいい、いません!なに言ってんのお兄ちゃん!」
男の人、っていうのは間違いじゃないけど。
春さんはそんなんじゃないし。
姿は女の人だし。
っていうのは、言う必要ないよね。


