「店員さん、すっごい綺麗っすね!」



店内も人が増えてきて、カップルだけじゃなく同性同士のお客さんもちらほらといる中、不意に聞こえてきた声にチラリと顔を向けた。
男の人二人組が、春さんに声をかけていた。



「ありがとうございます」



春さんはにこやかに対応する。




「彼氏とかいんの?」

「ねぇ、何歳?」

「想像にお任せします」

「えー、いいじゃん。教えてよ。仕事休みな日いつ?デートしよ」




クリスマスの夜に、バーで店員をナンパするなんて。
虚しくないの・・・?
いや、クリスマスだからなのか。




「ごめんなさいね。自分より背が低い男興味ないの」



にっこりと笑った春さんはきっぱりと言い放つ。
その二人はどう見ても春さんよりも身長は低く見えた。