「だから、なんでお前とクリスマスに会わねぇといけねぇのかなぁ」

「もう、だったらもう少し離れて座ればいいじゃないですか」



ぶつぶつと文句を垂れる倖也さんはそう言いながらも私の隣に座ってる。
春さんはバーテンダーの格好で忙しそうに働いている。



「お手伝いは結局しないんですね」

「あ?ああ、別にこないだは仕方なくだよ。それに、手伝うって言ったところでいいって言われるのがオチだ」

「え?でも」

「あれは口だけ」




やっぱり、倖也さんは春さんの事よくわかってる。
腐れ縁って言ってたけど、それだけじゃなくてちゃんとお互いの事認めあってるってことだよね。




「仲良くしてよね、二人とも」

「あ、春さん」

「さっちゃん、メリークリスマス。楽しんでね」

「メリークリスマス。春さん!」




春さんは優しい笑顔で接客してくれる。
今日もすてきだ。