「行くとこ、ないんでしょう?」
「それは・・・」
でも、初対面の人にそこまで甘えるのは・・・。
うーん、でも背に腹は代えられないし。
「次の仕事が見つかって、生活が安定するまで・・・。お世話になっていいですか?」
「・・・ええ。あなたがいいなら」
「え?」
「とりあえず、シャワーしてきたら?あたし朝ご飯の用意しておくから」
「あ、私がやります!お世話になるので、家事全般任せてください!」
「・・・いいから、入ってきなさい。それと、あたし生活リズムバラバラだから料理とかしていらないから。自分の事だけしてくれたらいいわ」
思い切り拒まれてしまった。
トボトボと教えられた洗面所に向かう。
それにしても本当にいい部屋みたい。
すごく広いし、浴室の中を覗くとお風呂も広くて大きい。
え、ものすごくいい部屋なんじゃないの?
あの人っていったい何者?
人ひとり養う位へっちゃらなのかしら。