「本当に、動揺してたんでしょうね。あたしったら女の脱ぎ捨ててた下着とか服とか、鞄も一緒に持って出てたのよ」

「・・・」

「ゴミ箱に突っ込んで捨ててやったけどね。・・・それ以来。特に女に触れられるのは拒絶反応が出るの。男のくせに、情けないでしょう?いまだに忘れられずにさっちゃんにも恥ずかしいところたくさん見せたわよね」




なんと言ったらいいんだろう。
私が言う言葉なんて、本当になんの意味もなさない気がして。

救ってあげられる言葉を私は持ってない。




「なんでさっちゃんが泣くのよ」

「・・・っ。だって・・・っ。春さんが、泣かないからっ。私が代わりになくんです!」

「さっちゃんは、本当に優しい子ね」




優しくなんてない。
だって私。


私のせいで。
私が、圭汰さんにされそうになったこと。
春さんは自分がされたことと重ねて、私を助けてくれたんだ。


そのせいで、思い出して苦しんだ。




私のせいで、やっぱり苦しめてた。





涙が、止まらなかった。