「――――っ、くそ。今のは俺が悪かった」
ハッとしたような倖也さんが、ガシガシと頭をかき、掴んでいた私の手首を離した。
「春馬、ごめん。あの」
「どういうこと!?あの人は、今度は倖也まで巻き込もうとしてんのか!?」
「落ち着け!」
「だって!」
取り乱した春さんを、倖也さんが落ち着かせようと机を回り込む。
私は、ただ動揺してなにもできなかった。
「俺は、受けるつもりもないし。お前の事も、絶対に護る」
「そういう事じゃない!なんで、話してくれなかったんだ!いつから!?」
「・・・ここ1か月くらい。受けるつもりもなかったし。話して、春馬を動揺させるのもよくないと思って黙ってた」
本当に、倖也さんはずっと黙ってたんだ。
心配かけないように、かな。
「・・・別に、いいよ」
「は?」
「俺の事は気にせず、倖也がそうしたいならそうしたらいい」


