「すみません、失礼ですが・・・」
その日も、昼過ぎに出かけようとマンションを出た。
そこで突然呼び止められ立ち止まると、この前倖也さんと言い合いをしていたスーツ姿の男の人。
今日もピシッと上品なスーツを着こなしている。
私に、なんの用だろう。
「あの・・・」
「私、こういう者です」
怪訝な私の表情を見て、すっと取り出した名刺。
躊躇いながらも受け取ると、そこには“oki centralgroup 秘書 青木正也”と書かれている。
oki centralgroupといったら、結構有名だ。
ホテル業界で、品格を露わし都心から徐々に全国へと広がっていっている、らしい。
そんな会社の社長秘書さんが・・・どうして?
「少し、お時間をいただけませんか?」
特別急ぐ用ではないし、断り辛い雰囲気に渡しは仕方なく後についていく。


