「お前なー。俺がいねぇとろくに寝れねぇくせに」

「・・・別に、頼んでねぇよ」

「へー、そんな事言っちゃうんだ。春馬くん、いいのかな。さっちゃんに、言っちゃうよ。春馬くんの恥ずかし発言の数々」

「ばっ!なんでそうなるわけ!?ざけんな」



いつもの春さんじゃない春さんがいる。
なんだか、男の人みたいな。

不思議だ。
誠さんといる時の春さんは、女の人みたいで。
私の前だってそうだ。



やっぱり、彼氏さんの前だと素が出るのかな。
根っこの部分の男の人が現れるんだろうか。


それに、倖也さんとだとぐっすり眠れるんだ。
愛のパワーかな。



なんとなく微笑ましく思いながらキッチンに向かった。
朝ご飯、三人分用意しなくちゃ。



キッチンから二人の様子を眺めていると、本当に仲が良さげで。
言い合いながらも、なんだかんだ楽しそうな雰囲気。



ものすごく、ラブラブっぷりを見せつけられた気分。



ああ、いいなあ。
当分いいって思ったはずなのに。