「なに言ってんのよ!そんな事言ってたら取り残されちゃうんだからね」

「う・・・」

「いつでも前のめりに、自分からがっつくくらいじゃないと」




綾乃の目はギラギラと光ってて。
でも、綾乃はいつだって綺麗にしているし、肌も髪も手入れに抜かりはない。

仕事だからって手抜きはしないし、女子力は結構高い。
合コンも積極的に行っているらしい。




「いい人が現れたらね」




一瞬浮かんだのは、春さんの顔。
・・・なんで。


春さんは、男の人だけど女性で。
女友達、みたいなもので。




「あー、私は明日も仕事だ。帰って寝なきゃ」

「ご苦労様です」

「じゃあまたね!」



綾乃と別れ、マンションへと向かった。