「先輩っ……」



私は先輩に近づき、先輩を呼んだ。



「私、先輩のことが、ずっと好きです…」



でもね。



私は知っているんだ。



「先輩のクラリネットを吹いている姿、何もかもかっこよくて、ずっと私の憧れで……」



だからこそ。



私は先輩の幸せを。



「だから先輩も心にいる人に伝えてください。彼女を安心させてくださいね」



ずっと、私は祈るんだ。



先輩は私にごめん、と呟いてから校門に向かって駆け出した。



私はずっと先輩の背中を見送り続けた。



先輩の幸せが、永遠に続きますように。