先輩にとってはさり気ない笑顔だったのかもしれない。



けれど私にとって、それは心を震わせるくらい大きなものなんだ。



それから先輩と別れ、卒業式が始まる。



私は精一杯フルートを演奏した。



本当は悲しい。



だけど、先輩の旅立つ日なんだ。



嘘でも喜んだ。



式も終わり、卒業生が校門に集まった。



先輩の周りにはたくさんの同級生、先輩のことが好きな女の子たち。



私も、あの中に入りたいなー。