日が落ちて静まり返った外にくらべ、明るく大勢の人でにぎわうこのクラブ

 若い女の人たちが露出の高い服を着て楽しそうに踊っている。

 その近くで、踊っている女の人たちをニヤニヤしながら見るいかにも不良な男たち。

 そんな場にそぐわないのがこの私


ホールの一番はしで、お子さまが飲むようなオレンジジュースを、似合わないグラスに入れて飲む


 ホールの真ん中に向けていた体をカウンターに向ける。

 
「ねぇ、優さん」


 カクテルを作っていた手を止めて私を見る優さん

「私があの人たちみたいに可愛くなったら、アカツキは私をみてくれるかな…?」


 軽く頬を緩めた優さん。

「シノちゃんはそのままで大丈夫だよ」

 優さんに言われると大丈夫のような気もするけど…

「それに、アカツキもシノちゃんのことちゃんと想ってると思うけどなーーーー」


 そういった優さんの声は、最後まで私に届くことはなかった。

 それほど、夢中になっていたから。

 いまから登場する人物に。