恋した人は、漫画の住人

 私達の食事は会話が多い。多分お父さんとお母さんが生きてた時より会話が多いと思う。家族全員で食事することはもう叶わないけど・・・私はこれでとっても幸せなんだ。これで、もう少し龍の性格がよければ文句はない。
 でも・・・まぁ、これはこれで別に心地いいんだ。
 きっと登美子さんが少しでも私達の親のように気遣ってくれているんだと思う。だから、登美子さんはとっても感謝している。
 登美子さんには心配かけたくないげど・・・やっぱり・・・ね。
 まぁ、ご飯も食べ終わったし、龍も食べ終わったら直ぐ家を出るんだ。
 龍はと言えば放心状態のままだから食べるのがすっごく遅い。

「龍、早くご飯食べて私を家に送ってよ。」

 ふと、龍の目が放心状態で死んだ目から生き生きした目に変わった気がした。いや、変わった。

「そうだった。春ちゃんちょっと待っててね!お兄ちゃん頑張るから!!」

 多分、ご飯早く食べる事を頑張ると言っているのだろうけど・・・ショボイことを頑張ろうとしている龍を見て盛大に溜息を吐く私がいた。
 私は2階から自分の荷物を1階の玄関に運んでおいた。そして、龍が食べ終わったので、荷物を車に運んだ。と言っても、全部龍が運んでしまったのだが・・・こんな細い体の何処にこんな力が?まぁ、龍が不思議なのは何時もの事だからそんなに驚かないけども・・・
 龍を暫く見ていると龍が話し掛けてきた。

「あれ?どーしたの春?お兄ちゃんをそんなに見詰めちゃってさぁ~」

「黙れ!このアンポンタンが!!」

 登美子さんが言ったとおりの悪口(?)を言って龍にグーパンしてやった。

「グハァ!!・・・春ちゃん愛が痛いよ。(TAT)」

「何処に愛を感じているこの変態が!!ってか、(泣)の次は顔文字か!」

「ちょ、酷いよ!!春ちゃん!!」

「フン、黙れ。」

「・・・(ToT)」

「じゃあ、春ちゃんまた明日学校でね。」

「はい、おやすみなさい。」

「おやすみなさい。それと、龍次君はまだ日本にいるのよね?」

「はい」

「だったら、早く帰ってくるのよ。」

「ほぉ~い」

「お前は子供か・・・」

 やっぱり龍って掴めない・・・