恋した人は、漫画の住人

 そんなこんなと考えていると、龍に話し掛けられた。

「春、そろそろ仕度した方がいいんじゃない?」

「・・・ぇ?」

 突然だったので一瞬なにを言われたのか分からなかったが、すぐに理解して「して来る」と返した。
 仕度とは、私の学校は寮があって、今日は日曜日だから今日中に寮へ帰らなければならない。別に、明日直接学校へ登校してもいいのだけれども、この家から学校は少々遠いだから私は日曜中に学校へ帰るんだ。

「春ちゃん、晩御飯は食べていくでしょう?」

 登美子さんの声が1階から聞こえた。

「はい、食べてからいきます。」

 私は2階から大きくそう返事を返した。すると、

「春~お兄ちゃんが送ってあげるよ~だから、ゆっくりご飯食べよ~~♪」

「その方がいいわねぇ。春ちゃんそうしましょう!」

 さっきまでのシリアスさは何処へやら・・・あきれる私がそこにいた。
 だが、登美子さんは賛成のようだ。でも、私ははっきり言って龍の車で送ってもらうことは遠慮する。だって・・・あいつだよ?あの気持ち悪い奴と二人っきりだよ?嫌じゃない?私なら絶対嫌!!
 え?ルックスいいならいい?そんなこと思っている人いないよね?私は外見じゃなく中身派だから龍はぜったい駄目!!


 あ、そんなこといってる場合じゃなかった。