恋した人は、漫画の住人

「そうでしたね。で、その時お兄さんは、何処にいましたか?春さんは学校ですね。」

「はい、でも、どうして龍にそんなこと訊くんですか?」

「いえ、その・・・」

 麗華は口篭った。すると龍が言った。

「俺は、学校の校庭にいました。」

「そうですか。」

 龍が言うと麗華はそう短く返事返した。
 そして、少し黙ってまた発言した。

「お忙しい中、来てくださって有難うございました。私の質問は以上ですので、それに勝手ながら私はこれから仕事がありますので。」

「いいえ、此方こそ役にたてる事が何もなくてすいません。」

 私は小さく詫びた、すると麗華は綺麗に笑って、

「いえ、とても役に立ちました。此方こそ小さな御持て成ししか出来なくてすいません。」

「紅茶美味しかったです。」

 私がそういうと、龍は

「俺で良ければまた呼んで下さい。春の学校は寮なんで、俺はもう少しこの日本(くに)にいるので。」

 龍がそういい終わると、麗華が小さくお辞儀した。

「いろいろ有難うございました。」

 麗華がそういうと龍が歩きだしたので私は、麗華に手を振って龍に続いた。