恋した人は、漫画の住人

「しゅ、春御免、お兄ちゃんが悪かったから!機嫌直して、ね?」

「・・・家に帰るまで黙ってってくれたらね。」

「分かった!お兄ちゃん何でもやっちゃう!!」

 此処は道のど真ん中龍が大きな声で叫んだから周囲の人からの視線が集まりとても痛い。私は恥ずかしくなって、龍の腕を掴んで(力は無意識に入れてしまっていたかもしれない)醤油を買いに行くスーパーへと走った。

「春!痛いって!!」

「黙ってて!!」

「・・・(シュン)」

「約束なんだから仕方ないじゃない、しかもあんな道のど真ん中で叫ばないでよ!!」

『御免ね?』

 龍のケータイの画面にそう書かれてあった。

「・・・反省しているならいいよ。」

『春~可愛い~!!』

 龍のケータイにはそう書かれてあった。
 何だかんだ言ってやっぱり私は甘い。

「有難う。でも、妹じゃなくて他の女の人を口説こうね?」

『春も女じゃん!』

「でも、私は妹でしょ?」

『ブー(-3-)』

「下手くそな顔文字。」

『本とは、お兄ちゃんあんまり顔文字使わないんだぞー!』

「あーはいはい。さっさと醤油買って帰ろ?」

『うん!(^-^b)』

 やっぱ下手。