化け物カレシ

次に目を覚ました時は大分意識がはっきりしていた。その分体のあちこちの痛みも大きかったが、鎮痛剤で少しはマシになった。

「伊吹」

さっきよりは落ち着いた様子の瀬川が、少し腰を浮かせて身を乗り出す。

「無理して起きるな」

動こうとした私の肩を優しく押し戻す。私はまた横になった状態で、瀬川に話しかける。

「瀬川さっき、何か話しかけてなかった?」
「……」

しばらく何も言わず、少し目を伏せた。何かを迷っているような感じで……。

「……伊吹は、やっぱり不老不死って羨ましいと思う?」

よくある話題。不老不死や不死身なんてものを奪い合うようなアクション、SFもの。そんなに永遠の命なんてものが欲しいのかと。

「私は思わない。むしろ、辛いものだと思ってる」

だってそれで苦しんでいた人がいたのを、私は知っている。哀しんでいた人がいたのを知っている。

「不老不死は、欲しくない……?」
「そんなもの、いらない」

そうキッパリと答えると、瀬川は『そうだよね』と苦しそうな顔をした。よく見ると瀬川には密かに唇を強く噛んでいる。