化け物カレシ

正直あまりいい気はしない。しかし今更一人で帰るとは言い出せないし、言っても無駄な気がした。

両側から異様な空気を肌で感じながら家が見えるところまで帰ってきた。ようやくこの空間から開放されると思うと足取りも軽くなる。

2人から少し、ほんの少しだけ先を早足で歩いた。ほんの10m程の差だった。

「イブ!!」


「……え?」

あっという間。視界がぐるりと反転。身体は重さを感じない。いや、浮いていたからか。

瀬川と暮内の顔が視界の端にちらりと映る。その一瞬の間に、誰かが笑ったような気がした。誰……?

私はそこで意識が途絶えた。