化け物カレシ

翌日、知らぬ間に図書委員に任命されていた私は放課後1時間ほど時間をとられた。瀬川はその間どこかで時間を潰して校門で待っていると言ってくれていた。
もうずっと変わらない委員会を終えて荷物を持って駆け出す。校門には既に待ち兼ねていた瀬川がゆっくりとこっちを向く。

「お待たせ」

少し駆け足だったせいか喉が冷たい。ふわりと目の前を遮るように木の葉が舞う。耳元でカサっと音がする。落ち葉でもついたのだろう。手で探るが見つからない。

「ここ」

見かねてか瀬川が取ってくれる。この距離でもクチナシの香りが漂う。

「どうかした……?」

瀬川が眉尻を下げて顔をのぞき込む。いつの間にかぼーっとしていたようだ。慌ててなんでもないと告げ、歩き出す。向かうのは校門を出て右の裏山へと続く道。

「いいの……?」

瀬川が遠慮がちに尋ねる。瀬川って、こんなだっけ?どんどん私の瀬川への認識が変わってくる。彼の時もそうだった。
人は第一印象とは随分かわってくるもので、少しずつ相手の微妙な変化に気づき出す。