「テメェはどこにでも首突っ込むなこの野郎!捜査妨害か!」

「何が捜査妨害だ悪徳刑事が!真面目な警察官ぶってんじゃねぇぞ!」

「誰が悪徳刑事だこの野郎!喧嘩売ってんのか!」

「売ってほしいんなら売ってやるよ!」

「誰が売ってほしいって言ったんだよ馬鹿野郎!」

六本木の道の真ん中。

耕介と我妻が怒鳴り合いながら歩く。

そんなに仲が悪いなら別方向に行けばいいのに、仲良く肩を並べている。

「六本木のクラブで乱闘騒ぎが起きたっつーから、鏑木をパクるいいチャンスだと思って行ってみりゃあ、またお前が引っ掻き回しやがって」

我妻は気に入らなげに毒を吐いた。