力で押し合う耕介と鏑木。

「あんま調子に乗んなよ探偵…」

「調子にゃ乗ってねぇよ。誰が聞いたって、俺の言ってる方が筋が通ってんだろ」

「筋なんて関係ねぇんだよ」

ギリッと。

鏑木は歯噛みする。

「俺に逆らうと海に沈められるか山に埋められるか、碌な死に方ができねぇぞ」

「死なねぇから関係ねぇよ」

「減らず口叩くじゃねぇよ!」

もう片方の拳が、耕介の鳩尾を打つ!

咄嗟に片手でガードしたものの、耕介の体は壁際まで吹っ飛んだ。

流石は東京連合を牛耳っていると言われる男だ。

大した腕っ節だ。