六本木、とあるクラブ。

1人の男が、VIPルームのソファに仰け反り、足を組んでいる。

黒髪のオールバック。

ゴールドのネックレスやシルバーのリングを身に付けた、些か趣味の悪い金持ちといった印象を受ける。

数人の若い女を侍らせた40代くらいの男。

その男の目の前、床に直接正座した若者の姿があった。

耕介にやられた、あの青年だ。

「おめぇは、この鏑木 薫(かぶらぎ かおる)がデカくした東京連合の栄えある第四世代だ。わかってんよな?」

「は、はい、わかってます鏑木さん…」

震え声で答える青年。

「なら…」

鏑木は素早くテーブルの上の酒瓶を摑み、青年の頭を殴りつけた!

「ぎゃああっ!」

「何喧嘩で負けて、おめおめと引き下がってんだこの野郎!」