「つまりアレだ。俺がへこましたのは雑魚キャラで、ラスボスは他にいると」

「そんな所だ」

ハンドルを切りながら、倉本は頷く。

「主力は“第三世代”だが、その連中に影響を与えている人物が、六本木辺りにいるらしい…もうOBだがな」

「年齢からすると40代くらいか…いい歳こいて半グレでもねぇだろうによ」

呆れたように言う耕介。

しかし、暴力団と対峙する勢力となり、時に暴力団を圧倒する半グレ。

そのOBともなれば、相当な人物なのだろう。

「名前は?」

耕介が訊ねる。

「警察は既に特定している。そのOBの名前は…」