事務所までの道程を走るフェアレディとKATANA。

「世話んなったな、ちょうどいいから焼肉2時間食い放題、今から行くか?」

耕介が笑う。

「折角だが、自分達はまだ職務中なんでな…それより」

ハンドルを握ったまま、倉本は耕介の顔を見た。

「相手は東京連合だと聞いたが…何歳くらいの相手だ?」

「ああ、二十歳かそこらだよ。中には雛罌粟と同い年くらいのもいたな」

「…なら第四世代か…」

倉本は小さく呟く。

「第四世代…?」

雛罌粟が小首を傾げた。

東京連合が最も猛威を振るっていたのは、渋谷や六本木等でクラブを経営するなどしていた世代の後続にあたり、飲食業や不動産業などの正業を有する昭和半ば生まれを中心とした50人程度から成る集団である。

このグループは“第三世代”とされる。

そしてその下には、“第四世代”が存在する。

彼らは第三世代やOBの後ろ盾を利用し、威光を利用してのさばっている、東京連合の歴史の中では小者に過ぎない。