探偵事務所へと戻る耕介と雛罌粟。

そんな2人が歩く歩道に、フェアレディZ280とGSX1100S KATANAが横付けされる。

「蓮杖、雛罌粟、無事か?」

フルフェイスヘルメットのバイザーを上げて言うのは、巽だった。

車のナンバーの照会を耕介に依頼された後、彼らは耕介の向かった現場を特定して急行してきたのだ。

「どうっちゅー事ねぇよ、楽勝だ」

答える耕介に。

「馬鹿、お前の心配なんかしていない、相手の心配だ」

巽は言った。

「お前はキレるとやり過ぎる傾向があるからな。相手の半グレ殺したりしてないだろうな」

「殺してねぇよ、ちょっとトラウマ刻み込んでやっただけだ」

「その方が性質が悪い…」

耕介の言葉に、雛罌粟がツッコむ。

「ともかく」

フェアレディの運転席から、倉本が声をかけた。

「乗れ。探偵事務所まで送っていこう」