入ってきたのは、パッツン気味に切り揃えた前髪、長い黒髪が印象的な、肉感的な体型の女子高生。

あまり表情のない顏ながら、顔立ちは決して悪くない。

寧ろ上等な部類といえる。

夏目 雛罌粟(なつめ ひなげし)。

男女を問わず同級生の間ではイジメの対象とされている。

肉感的な体型の為か、男子生徒達に捌け口にされる事もしばしば。

しかし本人は被虐的な嗜好らしく、好き好んで現在のポジションに甘んじている節がある。

救おうとしたお節介な善人達が、彼女の手によって痛めつけられたという噂もチラホラ…。

そんな性癖とは知らずに、襲われている雛罌粟を耕介が助けに入った事で、2人の縁は生まれた。

今では雛罌粟が蓮杖探偵事務所に入り浸っている。

時折推理小説で聞く『女子高生の探偵助手』などではなく、耕介の『セフレ』として。