男達の手から逃げ出し、耕介の背中に隠れる雛罌粟。

耕介はスーツを脱いで雛罌粟の肩に掛ける。

「何だ探偵、調査料受け取りに来たのか?」

青年が言う。

「ちゃんと払ってやるよ。その女も見つかったんで、料金上乗せでな。殺して山ん中埋める時に、一緒に穴の中に入れといてやるからよ」

その言葉に、周囲の男達も笑う。

その中の1人が。

「っっっっっ!?」

耕介のアッパーカットで顎をかち上げられる!

笑っている途中だった為、舌を噛んでしまった。

「おーよかったな、噛み千切らなくて」

口から血を垂らして悶絶する男に向かって、耕介が言う。

「調査料はいらねぇよ。とっときな。お前らの入院費でな」