「有り難うございました~」

支払いを済ませ、耕介は牛丼屋を出る。

「何で俺があの野郎の飯奢らにゃならんのだ、くそっ」

ハンドポケットでブツブツ言いながら歩道を歩く。

いつか警視庁に請求しなければならない。

しかし牛丼代たかだか数百円を請求できるものなのか。

少々悩む所だ。

「…お、そろそろ依頼人との約束の時間だな」

調査料を探偵事務所まで持って来ると言っていた。

依頼人を待たせてはいけない。

探偵としてのポリシー。

耕介は速い足取りで歩き始める。