いい天気だ。

こんな薄暗い探偵事務所で居眠りしているには勿体無いほどに。

しかし用もないのにウロウロするほど、耕介はアウトドア派ではない。

何より、今日は食事をとっていない。

先程事務所の冷蔵庫を開けてみたが、買い置きの缶コーラと脱臭剤しか入っていなかった。

空きっ腹にコーラは堪える。

「あ~…腹減ったなあ…」

小さく呟く耕介。

同時に腹の虫が、きゅるるるる…と切なく鳴いた。

まるで耕介の言葉に同意するように。