一週間が経過した。

「あーもしもし?蓮杖探偵事務所の蓮杖だけど」

耕介は事務所のいつもの椅子に座ったまま、背凭れをギシギシ言わせて電話をかける。

「一応行方調査が終了した。残念ながら依頼された女の子の行方はわからなかった…ああ、申し訳ないが」

彼も探偵だ。

依頼された仕事は全力で良い結果が出せるように努力するが、探偵とて万能ではない。

東京だけでも1300万人もの人口なのだ。

その中からたった1人の女の子を探し出すというのは、簡単な事ではない。

時にはこんな残念な結果に終わってしまう事もある。

「で…心苦しいんだが、調査料を請求したいんだが」

所在の判明如何に関わらず、調査料は貰う。

それが事前の約束だった。