耕介にとって探偵は天職なのか、一度依頼に手を付けると、彼はのめり込む。

寝食もせずに調査し続ける事もザラだ。

当然雛罌粟は相手してもらえない。

こちらが色仕掛けをしても見向きもされないくらいだ。

出かけてしまったし、今日は耕介は事務所に戻らないかもしれない。

こうしてソファに座っていても、退屈なだけだ。

こんな時、昔ならばフラフラと夜の繁華街に出て行って援交(ウリ)をしたりしたものだが…。

「帰ろ…」

抑揚なく呟き、雛罌粟は立ち上がる。