「そういう訳だからよ、お前と遊んでる暇はないんだ」

雛罌粟の脇を通り過ぎ、ドアへと向かう耕介。

「帰るんだったら戸締まり頼まぁ」

彼は雛罌粟を置き去りに、さっさと出て行ってしまう。

残された雛罌粟。

「…探偵さんの馬鹿…」

愛想よくしてもらえなかった事に少し拗ねたりしつつ、ポスッとソファに座る。

仕事にありつけて喜ぶのはいいが、構ってもらえないのは雛罌粟としてはつまらない。

まぁ、依頼をこなしている耕介はカッコいいから好きなのだが。

そういえば彼は探偵だったのだなと、思い出す瞬間だ。