かくして、半グレ集団による事件も無事解決。

耕介にとっては、くたびれ儲けの事件でしかなかった。

後に残ったのは入院費用のみ。

「そろそろ探偵事務所が傾くな」

両手を頭の後ろに当てて、溜息をつく耕介。

何の得もない。

耕介自身はそう思っているかもしれない。

しかし。

「探偵さん…」

しなを作ってベッドの耕介に擦り寄る雛罌粟。

「私は…色々感謝してますよ…」

唇が触れそうな…事実触れている距離で、囁く雛罌粟。

「色々って…何だよ…」

「言葉では…表現できません…」