その霊安室の前で、雛罌粟は左に曲がった。

その先にある階段を昇り、昇ってすぐの所にある、201号室。

ノックをすると。

「うぇ~い」

気怠そうな返事が返ってきた。

「失礼します…」

病室に入る雛罌粟。

ベッドに寝そべる耕介の姿があった。

写真週刊誌を読みながら、鼻を穿っている。

「…具合はどうですか…?」

「飯は不味い、ナースは不細工、就寝時間は早ぇ、碌な事がねぇ」

「…私は具合を聞いたんだけど…」