雛罌粟が、病院を訪れる。

彼女は受付で看護師に場所の説明を受けた後、廊下を歩き始めた。

その足は、迷う事なく真っ直ぐ歩く。

清浄な、白い壁の続く病院の廊下。

花束を手にした雛罌粟が、その廊下を無言のままで歩く。

長い長い廊下を歩いた先にあるのは、霊安室だった。

「……」

無表情のまま、その霊安室へと進む雛罌粟。

足取りは、重い。