小さく溜息をつき、耕介は手帳を見直す。

行方調査といえば、昔は出て行った女房だの、生き別れた妹だのと、やや深刻なケースが多かったものだが、最近ではああいった軽いノリでの人探しも増えてきた。

まぁ事件性のない行方調査など、警察は取り合ってくれない。

暇な探偵に頼むのが丁度いいのだろう。

とはいえ久し振りの依頼だ。

張り切る耕介。

と。

「あれ…探偵さん…?」

学校の帰りなのか。

雛罌粟が事務所に顔を出した。