蹴りを叩き込まれて、前歯が数本折れている。

「テメェそれでも探偵か!」

血を飛び散らせながら怒鳴る鏑木に。

「黙れ」

耕介はもう1発拳を打ち込む。

またも転倒する鏑木。

「テメェも半グレの頭張ってんなら、やられっ放しになってねぇで根性見せやがれ」

「ちょっと!」

挑発する耕介を、美奈は怒鳴った。

「いい加減にしなさいよ。もう抵抗する意志がないんなら、そのくらいにしなさい!」

「何で?」

「何でって…蓮杖君は私を助けに来ただけでしょ?」

「何言ってんだ、俺ぁこの野郎をぶっちめに来ただけだ。てかお前、ここで何してんの?」

「……」