「さぁ、立てよクソ野郎」

耕介は拳を鳴らす。

「幾ら正義の味方でも、立たねぇ悪党はボコれねぇからな」

「っ…この野郎」

口元を拭い、立ち上がろうとする鏑木。

そんな彼に。

「あ、そういや俺正義の味方じゃねぇわ」

耕介はいきなり顔面を蹴りつける!

鏑木は立ちかけていた所を蹴られ、もんどりうって倒れた。

「ちょ、ちょっと蓮杖君!」

人質の美奈が思わず窘めるほどの非道ぶり。

しかし。

「汚ぇ手ぇ使うとか言うなよ?」

耕介は口角をつり上げた。

「俺ぁ不良探偵だからな」