「まぁ言いにくいなら構わないぜ。間柄なんて、人探しには必要ない情報なんでね」

耕介は言う。

「ある程度の目星は?どこら辺に住んでるとか、よく行く店を知ってるとか」

「…この界隈に住んでる子だとは思うんです。近くの学校の」

「学生ね…」

手帳に書き込みながら話を聞く耕介。

「名前とかはわかるか?」

「実はよく分からないんです…」

青年は困ったような顔をした。

「ネットで、ちょっと前に話題にのぼってた女の子で…」

「どんな?」

「まぁ、噂が広まるくらい人気者の女の子…って感じですか…」

「人気者ねぇ…」

ペンを走らせる耕介。