しかし、どんなタフな『野獣』であろうと、あまりにも重傷過ぎた。

意識が遠のく。

目の前が霞んでいく。

地面に血の筋を作り、1メートルも進まないうちに、我妻は気を失った。

遠くで救急車のサイレンが聞こえたような気がする。

救急隊員の呼び掛け、ストレッチャーに乗せられる体。

我妻は最寄りの救急病院に搬送される。

呼吸はあるのか、心臓は動いているのか。

出血が激しい。

頭部も強打しているかもしれない。

予断を許さない状況。