騒然とする車道。

大渋滞が起き、クラクションが鳴り響き、連鎖して別の車同士も衝突事故を起こす。

すぐに携帯で救急車を呼ぶ者、路上に倒れた我妻に駆け寄ってくる者、ただ傍観しているだけの者、様々だ。

そんな中、鏑木は撃たれた肩を押さえつつ、事故車から降りて逃走する。

「ぐ…」

車に撥ねられた事による骨折や重度の打撲、頭部からの大量の出血。

それでも我妻は地面を這いずり、鏑木を追おうとする。

「ちょっとアンタ!動かない方がいいよ!死んじまうぞ!」

「う…るせぇよ…馬鹿野郎…」

息も絶え絶えになりながら、それでも鏑木の行方を目で追う我妻。