「馬鹿かお前は!」

「痛っ…!」

我妻に頭を引っ叩かれて、雛罌粟は思わず声を上げた。

「自分の娘みたいな歳の女を買春するような下衆親父と一緒にすんな。お前みてぇな乳臭ぇの、萎えて勃ちゃしねぇよ」

「……」

自分で東京連合を説得する事も、我妻に協力を依頼する事も出来ない。

八方塞がり。

雛罌粟はシュンと顔を伏せる。

こうなったら一か八か、自ら東京連合のアジトであるクラブに乗り込んで話し合ってみるしかないか。

多分、暴行されて終わりだろうが…。

無駄と知りつつ覚悟を決めて、雛罌粟は我妻に背を向けて歩き出す。