事務所に入り、腹の痣を見られて詮索されないように服を着ていると。

「探偵さん…?」

裸体をシーツに包んだだけの姿の雛罌粟が、目を擦りながら起きてきた。

「早いね…いつも昼前まで寝てるのに…」

「お、おお、たまには早起きもいいもんだ」

白々しく答える耕介。

「……」

寝起きでまだ頭が回転していないのだろうか。

雛罌粟は耕介の不自然さがよくわからない。

それでも。

「何か声が聞こえたような気がした…何かあった…?」

ボンヤリと問い掛ける。