額に滲む脂汗。

走り抜ける激痛。

声にならない声を上げ、斎藤は地面を転がり回る。

その折れた腕を摑んで、引き起こす耕介。

痛みに斎藤は悶絶する。

「どうせ鏑木に頼まれたんだろ?」

「っ……!」

「なぁ?」

口を割らない斎藤の腕を、捻り上げる。

「ぎゃあぁあぁあっ!そ、そうだっ!」

堪らず斎藤は白状した。

「じゃあ鏑木に伝えといてくれよ」

耕介はニヤリと笑った。

「自分で喧嘩できねぇヘタレなら、大人しくVIPルームで1人シコシコやってろってな」