「たく…」

ズボンのファスナーを上げながら耕介がぼやく。

「せめて食い終わってからにしろよ」

「でも断らなかった…」

ブラウスを羽織る雛罌粟。

「据え膳食わぬは男の恥って言葉知らねぇのか。ヤッてばっかいねぇで勉強しろ」

「お弁当よりも据え膳を優先した…」

「うっせ」

午後のひととき。

不毛な言い争いをしながら、耕介と雛罌粟の日常は過ぎていった。