泣きたいのに泣けなかった。
その時視界に入ったあの三毛猫。
まだいたのか。
窓のすぐ側に立つと三毛猫が近づいてきた。
『ああ、亡くなわれてしまったのか。』
もう目を開かない彼女を見て悲しそうに言うその三毛猫。
『9番目なら、あなた様ならそろそろなれるでしょう。もうすぐ9番目の期限が終わりそうで、終らないあなた様なら。』
そう言い残すと三毛猫は去っていった。

私の妹は言った。
もし9番目に会えたならおしゃべりしたい、と。
実際、声に出してしゃべったことはないけど私と君はちゃんと会話をしていたよ。
きっと彼女はこれを言ったら、何で一緒におしゃべりしてくれなかったの、と怒るだろうなぁ。

許してくれるだろうか。

……ちゃんと声に出して話したら、許してくれる?