彼は一人で
グラウンドへと続く階段に座っていた。
「あっ、あの!!」
「…っん?」
「わっ、私…、あなたのことが好きです!!」
「……。」
「あの、その…、上手く言えないけど…、私、あなたのことが好きなんです。支えたいんです。ずっと隣で応援していたいんです。」
すると
彼がニッコリ笑って
立ち上がった。
「やっと言ってくれたね。君の気持ち。」
彼は私の腕を引っ張り
抱きしめた。
「えっ!?」
「君のことがずっと好きだった。だけど、自分では何もできなくて…。あのとき…、君が応援してくれたときに、やっぱり君がいないとダメなんだって思った。…君が俺に勇気をくれたんだよ。」
私は信じられなかった。
ずっと遠くから見ていた彼が
今、私のすぐそばに…。
大好きな彼の腕が
私を抱きしめてくれている。
これは夢じゃない。
夢じゃないんだ。

