恋結び




「考え直してくれた?」



涙を乾かすために
校舎からグラウンドへと続く階段で
一人、夕日を見ていると
彼に声をかけられた。



「…ごめん、やっぱり私…。」



「そっかぁ…。仕方ないね。」



親友の顔が浮かんで
私は彼を直視できず
気持ちすら伝えることが
できなかった。



「あっ、ごめんねっ。私帰らなきゃいけないからっ…じゃ、じゃあねっ。」



私は逃げるように
彼の前から去った。











そして、次の日…
よりによって
球技大会。



委員長の私は朝から
大会の準備に追われていた。



だけど
仕事なんか手につかない。



親友と彼の顔が
交互に浮かんで
私の頭の中はぐちゃぐちゃ。








大会の途中
次の試合の準備のために
用具室にカラーコーンを取りに行った。



すると…
そこには親友が立っていた。



「…どうしたの?」



「あんたさー、彼に気持ち伝えたの?」



「えっ?!」



「だから、彼に気持ち伝えたのかってきいてるの。」



「いや…、それは…まだ。私はいいんだ…もう。」



ーパンっ!!



親友に思いきりビンタされた。